自力で安全に歩くのが難しい高齢者の歩行介助をする際、介護職は体の使い方を工夫することで力を入れずに介助できるようになります。
まず、支持基底面(床に接している面積)は広い方が安定しますので、立っている時の足幅は肩幅くらいに保ちます。
重心を低くすることもポイントとなります。
腰を落とすことは、姿勢を安定させるための基本的な動作ですので覚えておきましょう。
相手の重心は自分に近ければ近いほど、伝わる力も大きくなるものです。立ち上がりの時には、なるべく体を密着させ、腕や手だけで持ち上げずに体全体で持ち上げるようにしましょう。自分の動きと同じように相手を動かすことができれば少ない力で動けるようになります。
また、相手の体を小さくまとめることで、動かす側の力を減らせます。
ベッドでの体位変換の際には、相手に胸の前で手を組んでもらい脚を建てた状態でスタンバイしてもらいましょう。
頭を少し持ち上げてもらい、ベッドと背中の隙間に介護職の手を入れ込み、身体に密着させることで簡単に体位変換できます。
ベッドからの起き上がりの際にも、同じ動きをすることで介護職の体への負担を軽減できます。
座る際の介助では、両足をしっかり広げて立ち、高齢者の動きに合わせて自分も腰を落とします。
そうすると、安定感が出るため、腕だけで支えようとするよりも腰を痛める確率を減らせます。
どのように介助すべきかわからない場合には、実際に介護を仕事にしている方の動きを参考にする方法もあります。
上記のほかに、“目指せ!歩行介助マスター”の記事も勉強になるのでおすすめです。